悪夢

今朝、怖い夢を見た。

僕は母親の実家に居た。母親と何か口論になって、二度と会いたくないと叫ばれた。僕は深夜に皆が寝静まった時に家を飛び出して、最寄り駅まで行ったが、財布を忘れたことに気が付き、父を呼んで、父と共に実家に戻って荷物をまとめた。それが母に見つかった。僕は空を飛んだ。どこまでもどこまでも高く。でも気を抜くと電線くらいの高さになってしまう。いとこと伯父が僕を探しているのが見えたから、もっと高く高く飛んで行った。自分では完璧にコントロール出来ないけれど、空を飛ぶのはとても楽しかった。土砂降りの雨が降っていた。どこかの廃病院で父親と待ち合わせて、父親の車に乗った。いざ遠くへ逃げようとしたら、後ろに母が居た。僕も父も動揺した。僕は母の心臓を鷲掴みにして、取り外した。心臓があったところは黒い穴ぼこになった。母の心臓は、味噌で出来ていた。母は動かなくなった。父は怯えて、死んでなんかいないと繰り返し叫んだ。でも母は確かに死んでいた。

 

僕は昔、母が大好きだった。なのに何故今、母を殺す夢を見てしまうのだろう。何故母と上手くやれなかったのだろう。もう駄目だ。もう無理だ。そうやって何度泣いただろうか。

 

僕は今、12歳だ。これからの人生は途方もなく長く続いていて、死ぬまで母に会わないということがどのようなことなのか、とてもではないが想像もつかないのだ。怖いのだ。